キスの味💋
私の人生の中で一番楽しかったのは、青春のド真ん中、高校の頃である。
頭の中は、未知の世界を夢見心地でフワフワと飛んでゆく。青臭く、 そして純粋で綺麗な心(今よりは確実に‥)の持ち主だった。(に違いない…)
そんな母校を訪れたのは、成人してから5年くらい経ってからだろうか。
訪れたというか、校舎の周辺を当時を懐かしみながら散歩したという感じだった。
五感をフルに使い記憶を手繰り寄せる。
現実と過去が交差し、
タイムスリ~ップ。
『あっ!』
思わず立ち止まった。
学校の裏手にある惣菜屋さんだ。
こじんまりとした店で、おばちゃん一人で切り盛りしている。沖縄のお笑い芝居(大阪でいう吉本工業かな?)で有名な仲田幸子に似ている。
メニューは、と言うと🍗⬇️
フライドチキン、チーズササミフライ、コロッケ、たまご、ウインナー、ポーク‥。
いろんなものを揚げていた。あとは、ふりかけのついたおにぎり🍙
よく授業中、裏門から抜け出してサボりにきたり、昼メシを食べたり、部活終わりに立ち寄り、たむろっていた。
『懐かしいなぁ』
営業中だったので入ってみた。
『おばちゃん久しぶり!』
「誰かね?!」
やっぱ分からんか
当時から、目立つ性格でもなかったし、イケメンでもないから分からんよね…笑。
同級生の名前を2、3人言ってみると、ようやく思い出したようだ。
「あ~!あの子と同級のね。懐かしいねぇ。さぁ、お好きな席へどうぞ♪」
だいぶ雰囲気が変わっていて、昔はなかったであろうカラオケ機材があったのだ。
『歌もうたえるわけ?』
「そうよ。お客さんも大型スーパーやコンビニに流れて行って、めっきり減ったのよ‥。それで、カラオケ居酒屋に思い切って変えたの。」
『そうなんだ‥。んじゃ、飲もうかな!生一つ頂戴🍺』
「は~い!」
最初に、お通しがでてきた。
硬いメンマだった。どちらかと言うとマズい。
ビールはまだかなとおばちゃんをみると
衝撃の映像が目に写る。
ビールの泡が足りなかったのか、おばちゃんが口をつけ、泡の微調整をしているのだ。
ビールサーバーとおばちゃんは丸見えなのに…
何食わぬ顔をして運んでくる。
「おまた~せっ💋」
おばちゃんが口づけしてないところを探すがよくわからない…
一か八か、目をつぶって飲んだ🍺
固いメンマ。そして、間接キッス👄
懐かしい思い出たちがすべて吹き飛んだ。